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青い文学シリーズ
概要
本作は、太宰治の「人間失格」と「走れメロス」、坂口安吾の「桜の森の満開の下」、夏目漱石の「こゝろ」、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」、「地獄変」の6作品からなる全12話のTVアニメ。ただし物語や設定は大幅に変更・脚色されており、必ずしも原作小説に忠実な内容ではない。
ステータス
Ended
放送局
Nippon TV
シーズン&エピソード

シーズン1
企画の発端は、2007年6月に集英社文庫の「夏の一冊 ナツイチフェア」企画として週刊少年ジャンプで連載する漫画家が、名作の表紙を新たに描きおろしたこと、さらに太宰治生誕100周年という節目の年であるということから始まった。それぞれ、「人間失格」と「こゝろ」を『DEATH NOTE』や『ヒカルの碁』の小畑健、「桜の森の満開の下」「蜘蛛の糸」「地獄変」を『BLEACH』の久保帯人、「走れメロス」を『テニスの王子様』の許斐剛がカバーイラストを担当。アニメ化にあたり、カバーイラストを担当した漫画家がキャラクター原案を担当し、それぞれの作品は、オムニバス形式で放送された。
エピソード

人間失格 第壱話 鎌倉心中
恥の多い生涯を送って来ました――。 大庭葉蔵は裕福な生まれだった。彼は、人間の生活に検討がつかない、そういう種の男だった。貧しい人間からカンパを搾取するための、真似事の左翼運動に参加し、その日を暮らす……。 昭和四年、夏。いつものように芝居をし、金をせしめる葉蔵。だが突如反社会的な運動を検挙すべく現れた、特高の小菅に追われ、逃亡するはめになる。逃げ込んだ先は、恒子という女のいるカフェだった。 匿われる葉蔵。一度はごまかせたものの、すぐに気づかれ、恒子に庇われ再び出奔する。道中、彼は思い出す。作り笑顔をする自分を。妖しげに嗤う女中たちを。恒子のところに戻り、ふたりはその夜、枕をともにする。 情事の後、あなたは純粋だ、と微笑む彼女に、葉蔵は殺意を覚える。そして、過去父を怒らせたことを反芻し、生きていることの恥ずかしさに想いを馳せた。 葉蔵と恒子。ふたりはどちらともなく呟く。「一緒に死んでくれないか」。

人間失格 第弐話 お化け
意識を失った葉蔵は、茫洋とした感覚の中、自分の過去を想い出す。おどけてみせることで、わずかに人間につながる事ができた自分。その中でひとり、彼が道化であることを見破った男、竹一のこと――。葉蔵を「お化け」だと言う竹一。その通りだと得心し、あの頃の葉蔵は哄笑した。 気がつくと、葉蔵はベッドの上に寝かされていた。恒子が死んだと聞かされ、呆とする葉蔵。親にも見捨てられ、監視付きの部屋に通されることとなる。そこで彼は「お化け」の幻を見た。 またも、あの頃を思い出す葉蔵。竹一が「お化けの絵」として紹介したゴッホの自画像を見て、葉蔵は自分もお化けの絵を描こうとした。その絵は……そう、自分自身でもあった。 お化けは人間の世界に生きてはいられないのか。自問し、その足は一度は縁を切ったはずの堀木の元に向かっていた。堀木に軽蔑の眼を向けられ、居た堪れなくなる葉蔵。そして、それを見ていた一人の女――。

人間失格 第参話 世間
そこでの生活は、人間らしいもののように思えた……。志津子とその娘の茂子。葉蔵はふたりと同居していた。 そんな中でも、父の「金を稼げない奴は、人間として失格」という言葉が、彼を苦しめる。そこで志津子は、葉蔵の描いた漫画を売り込みに行く。結果は頗る好評。現れた「お化け」にも耳を貸さず、穏やかな日々に、葉蔵は心持ちを豊かにする。 そこに引っかかりを与えたのは、堀木の「世間」という言葉だった。漫画の持ち込み先の編集長も「世間」を口にし、鎌倉心中の件に触れてくる。葉蔵は「世間が自分をお化けにしたがっている」と酒を呷った。さらに、茂子に殺人の噂を聞かれ「本当のお父ちゃんが欲しい」という、無邪気で残酷な言葉に蒼褪める。 「世間」という何かから逃げ出す葉蔵。「生まれてきて すみません」。独り言ち、雪景色の中、力なく横たわる。その時、白銀世界に、鮮やかな朱が引かれた。紅い傘を差し彼を覗き込むのは、女神か、悪魔か。

人間失格 第四話 新世界
時が過ぎた。今、葉蔵は美子と居を構えている。彼は初めて自分以外のために生きようと思った。漫画を描くという道化を演じ、世間に受け入れられる――。そういう人生を選んだ。 そこに久し振りに訪れる堀木。葉蔵は、美子のおかげで、「世間」に打ち克つことができるようになったと屈託なく話す。だが、堀木は面伏せるばかりで、少し様子がおかしい。 堀木は葉蔵の父の訃報を伝えに来ていたのだ。それを聞き、狂ったように大笑する葉蔵。美子を求める彼を、だが見えざる手が引き離そうとする……。さらに堀木の言葉に目を見張る葉蔵。堀木は軍隊に行くという。 全て失った葉蔵は、自分が人として何かが欠けている――すなわち「人間失格」であることに至る。ついに薬品を飲み、自殺を図った、そんな彼を人は言う。 「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」。

桜の森の満開の上 CHAPTER 1 前編
すべて桜が、人を狂わせる。旅人を襲い、猪を捕まえ、妻たちと賑々しく暮らす。そんな生活を送っていた自称「優しい山賊」の繁丸。誰よりも力の強い彼は、だがなぜか桜を恐怖していた。 ある日、彼は旅の一行に出くわし、金品を奪おうとしていた。連れていた女に魅かれ、連れの者を切ってしまう繁丸。そうまでして得た女、彰子は都暮らしのワガママ育ちだった。 突然おぶってくれとせがまれ、面食らう繁丸。「山という山すべて俺のものだ」と滔々と語ってみせるも、全く興味を示さない。そのうえ、谷に落としたかんざしを拾えなどと言い出す始末。 宅に着き、繁丸を迎える女房達。「うしろの正面だあれ」、突然彰子が声をあげ、無邪気に続ける。「自分を妻にしたいなら、女房たちを殺せ」と。ゆっくりと刀を抜き、振り上げる繁丸。謳うように涼し気な彰子。熱狂と陶酔の中で、繁丸は直感する。これは、あの桜の森の満開の下と同じだ。繁丸は―惑う。

桜の森の満開の下 CHAPTER 2 後編
都に移り住んで半年。繁丸はいまだ暮らしに慣れなかった。『知らない』ことへの不安は、どれだけ力があっても満たされることはない。 そしてまた、彰子も退屈していた。ある日、戯れに殺した人間の首を彰子に与えると、彼女はそれで遊び始めた。そのうち、毎夜繁丸が人を切り、彰子はその首で遊ぶというのが日課になっていく。繰り返される不毛な殺戮。 繁丸は思う。空が落ちてくる。この繰り返しは女を殺せば止まるのか?しかし女を殺すと俺が死ぬ。俺は何を考えているのだ!惑いの闇に囚われる繁丸。果てに、繁丸は決意する。山に帰る、と。 強い意志を持ち提言する繁丸。彰子は抵抗するも、決意が固いと知り、彼と共に行く道を選んだ。初めて出会った時と同じように、おんぶで山に戻るふたり。彼らを迎えたのは、あの満開の桜だった。 そこで、繁丸はふと、この花びらはどこから落ちてきたのだろう?と思う。そして彼は気がついた。女が鬼であることを。

こゝろ 1 夏
お嬢さんは桔梗の花のような人でした―。 下宿に住まわせてもらっている学生…彼はその家のお嬢さんに「先生」と呼ばれていた。 ある日、彼は道を求め続ける男、Kを下宿に連れていく。最初は無愛想だったKだが、少しずつ馴染んでいく。それはだが、彼とお嬢さんとの間に、強い紐帯が生まれるということでもあった。先生は激昂する。「覚悟もない奴に!」。 だが、Kは笑って呟くのだ。「俺には何もない、あるのは覚悟だけだ」。

こゝろ 2 冬
お嬢さんはひまわりの花のような人だった―。 先生に誘われるまま、Kは下宿に住まわせてもらうことになる。 最初は道に励もうと家人も気にしないKだったが、お嬢さんの行動に、少しずつ心惹かれていく。そして、ある時、Kはお嬢さんと手をつないでいるところを先生に見られてしまう。 悩むKはついに先生に相談を持ちかけるも、突き放される。そこで彼は笑って呟いた。「覚悟…覚悟なら、無いことも無い」。

走れメロス1 前編
待つ方がつらいのか……それとも、待たせる方がつらいのか……。 作家、高田は気乗りのしない仕事に辟易していた。タイトルは「走れメロス」。 作中、王であるディオニスは言う。 「人の心はあてにならない……信じては、ならぬ……」。 だが、メロスは友のため、誓い、約束をする。その下りに差し掛かり、高田は想い出す。あの時の汽車を。投げられた懐中時計を。そう、彼にもかつては故郷に大切な友がいた。たったひとりだけ…。

走れメロス2 後編
メロスは言った。 「セリヌンティウスよ…私は走ったのだ…君を欺くつもりは微塵もなかった…信じてくれ」。 だが……嘘だ!そう叫んだのはセリネンティウス、いや、高田だった。一緒に東京に行こうと約束したあの日。城島は来なかった。 嘘を書き続けることはできない。筆を折りそうになる彼のもとに、城島の幻が現れる。 「最後まで書き続けろ、俺は、待っているから…」 そんな中、突然の一報が届く。それは城島の妻からだった。

蜘蛛の糸
世に聞こえた盗賊・犍陀多。その傍若無人ぶりは比類なく、権力の中心にいる国王のパレードをも手玉に取るほどだった。 一匹の蜘蛛に慈悲を与えたその帰り、彼はついに国王軍に捕まってしまう。刑に処され、行き着いた先……そこは彼がかつて殺した亡者どものいる世界、すなわち地獄だった。殺した者に殺され、殺された自分は殺した自分でもあり……連関していく苦しみが、犍陀多を襲う。 そこに降りてきた一本の糸。それこそ、彼を救う救いの手綱だった。

地獄変
国王にもその実力を認められる稀代の絵師、良秀。彼はある時、王の民を人とも思わぬ専横ぶりに愕然とする。 衝撃の覚めやらぬまま、彼は王から栄華を誇るこの国の絵を描くように仰せつかる。この国……貧しい人間を蹂躙し、貴族だけが栄える、そんな国を、良秀は狂気に取り付かれたが如く描き続ける。 そこに描かれていたのはまぎれもない、地獄だった。さらに良秀は国王に直訴する。その願いは国王を激しく揺さぶるものだった。




